(株)FP総合研究所
お役立ち情報:豪ドル投資
豪ドル建て投資のリスク
   
    人気の豪ドル投資 
       
トップページ      最近日本で、豪ドル建てやニュージーランド・ドル建ての預金や債券への投資
◆業務内容      が盛んです。円建ての運用では利息が余りにも少なく、米ドル建ての運用利息で
   も物足りないと感じる方が投資しているようです。このような投資環境に便乗して、
◆プロセス       金融機関の方々も豪ドル建ての商品を盛んに宣伝しています。
◆お約束        しかし、実際に投資をされている方々全員が、本当に為替リスクのことを承知の
   上で投資をしているのでしょうか。確かに、外貨建て商品の説明書には、「この商
◆料金表       品には為替リスクがあります」とか「投資元本を下回る可能性があります」とか書
◆会社概要       いてあります。しかし、このような一般的な為替リスクの説明を読んでも、個別通
   貨のリスクを理解したことにはなりません。
◆お問合せ        投資対象である外債などの格付けがトリプルAと表示されていたとしても同じこと
◆お役立ち       です。それは、現地通貨建てで予定された金額が全額払われる可能性が極めて
   高いという意味であって、円建てで全額払われるという意味ではありません。
◆制度改正       
◆リンク集       
メジャー通貨とマイナー通貨
          
        私どもでは、外貨のことを全て「外貨」と呼び、為替リスクのことをひとくくり
       で「為替リスク」と呼ぶと、お客様に誤解を招くのではないかと考えています。
       野球にメジャーリーグとマイナーリーグがあるように、外貨にもメジャー通貨と
       マイナー通貨があって、両者の為替リスクを同列で論じるべきではないと思
       います。
        言うまでもなく米ドルやユーロはメジャー通貨です。この他にも、貿易の決
       済や外貨準備として使われ、国際的に流通量の多い通貨として、英国ポンド、
       日本円、スイスフランも含まれます。
        しかし、この基準に該当しない豪ドルについては、失礼ながら、私どもでは
       メジャー通貨に含めていません。皆さんは豪州の人口をご存知でしょうか。
       面積が日本の20倍ですから、人口も多いと思われるかもしれませんが、実は
       2,500万人で、日本の20%です。国の経済規模を測るGDPも 日本の2割程度
       に過ぎず、東京経済圏よりも小さく、大阪経済圏よりもやや大きな程度です。
       つまり豪ドルは、日本の地域通貨のようなものと考えることができます。
          
          
    豪ドル為替レートの推移
          
        経済規模が小さい場合、一般に為替レートが乱高下しやすく、特別に国際収支
       上の強みを持っていない限り、通貨はむしろ弱含みとなりがちです。
        豪ドルの場合も例外ではありません。1991年3月から1995年4月にかけて、円
       に対して 45.6%下落しました。 比較的短期間で大きな下落をした例は、この一度
       だけではありません。 1997年4月から2000年10月にかけて再び 43.8%下落し、
       さらに2007年7月から2008年10月にかけて47.2%下落しました。 このように値
       動きが荒いこともあって、メジャー通貨とは呼びがたいのです。
        その後豪ドルは幾分持ち直してきました。しかし、日本からの活発な豪ドル投資
       が為替レートを過大評価させているという説もあります。もしもそれが事実である
       とすると、日本人が集中投資をした後にマーケットが値崩れを起こすという、いつ
       ものパターンを思い出してしまうのは私どもだけでしょうか。
        金融機関が提供する為替資料では、このような大きな下落部分を避けて、その
       後の堅調な為替推移表を載せているかもしれませんので注意が必要です。
        ともかく、豪ドルは短期間に40%以上の下落をしうる通貨です。 豪ドル投資
       をしようと考えていらっしゃる方は、このような下落が万一再び起こった場合に、
       為替リスクだから仕方がないと考える覚悟はできているでしょうか。私たちはこの
       ようなリスクをご理解頂いたお客様にのみ豪ドル建ての投資をお勧めしています。
        ここでは豪ドルを例にとって説明しましたが、豪ドル以外のマイナー通貨につい
       ても同じことが言えます。
           
          
    一般の人がとってもよいリスクと取らない方がよいリスク
            
        豪ドルの安い時に投資して高いときに売り、短期間の豪ドル投資でもしっかりと
       儲ける人がいることは事実です。
        しかし、一般個人が豪ドル投資をする場合には、取引金融機関にもよりますが、
       往復で4円前後の為替手数料を取られます。 これは元本の5〜6%にもなります
       ので、短期間で売買を繰返すことは余りお勧めできません。一般の人が外貨建
       ての資産を持つならば長期投資です。長期投資の場合には、為替の下落にびく
       びくしなくてはならないような通貨を選ばない方が賢明です。
        将来の価格等が変動する可能性のことを広くリスクと呼んでいますが、この表
       現も誤解を招く可能性があります。私どもは、一般の人が取ってもよいリスクと、
       取らない方がよいリスクとがあると考えています。一般の人が取ってもよいリスク
       を、例えば「変動可能性」と呼び、取らない方がよいリスクを、単に「リスク」と
       呼んだ方が、しっくりくるように思われます。
        世の中には様々なリスクがありますが、それぞれに一般の人が取ってもよい
       リスクとそうでないものとの境界線があります。為替リスクについては、メジャー
       通貨のリスクは取ってもよいが、マイナー通貨のリスクは取らない方がよいと
       言えるでしょう。
          
          
             
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